魅力探訪

人吉・球磨


球磨川流域の旅

 熊本の南部に位置し、四方九州山脈に囲まれた人吉盆地。球磨川の恵みを受けるこの地方には、相良七百年の歴史と独特の文化が今なお息づいている。しっとりとした歴史の風情、野趣を楽しむ観光地として、人吉は絶好のスポット。相良三十三観音、くま川下りのこたつ船、蔵めぐり、これからの時期なら、ひなまつりや梅まつりなど見どころもいっぱい。  今回、高速道路をあえて使わず国道219号線を行く約2時間半。球磨川の自然と翠色の川面を横目に見ながらの旅だ。

時間帯によって変化する、美しい球磨川の景色。夕暮れ時は、大橋の向こうに雄大な山並みと夕日にきらめく川面が見事な景観を放つ


 まず訪れたのは、球磨川の支流、胸川上流のほとりにあるキジ料理の専門店「きじや」。味は勿論、訪れる人の五感をくすぐる風情の中で食事が出来る事で有名なお店だ。キジの肉というと、鳥独特のくせの強そうな印象があるが、ここのキジ刺しはシンプルにしてそんな先入観を一遍に覆すメニュー。程良い弾力といい、いくら噛んでも臭みのない味わいは、生肉が苦手な人もやみつきになる事請け合い。

司馬遼太郎著「街道をゆく」にも登場する「青井阿蘇神社」。国の重要文化財に指定されており、正面の茅葺きの楼門が立派だ


人吉市内に戻り、青井阿蘇神社、永国寺、人吉城跡などを廻る歴史探訪を楽しんでいると、辺りがそろそろオレンジ色に染まり始める。  今日の宿泊は「グランドホテル鮎里」。清流球磨川の穏やかな流れに沿って建つ古代檜風呂が自慢の宿だ。和室では川のせせらぎが聞こえ、その窓際から見渡せる城郭の角櫓や長塀、球磨川流域の様子が旅情をかき立てる。程良く疲れた体に浴びる檜風呂の湯は格別。浴場に檜の香りが漂う中、滑らかな湯に浸かると不思議なほどに疲れがとれる。3カ月ごとに変えられる和風会席料理も絶品。これからの時期は旬の猪を使ったシシ鍋が入る。女将の気配りが行き届いた料理とサービスは、旅の思い出の良き1コマに。

のどかな田園風景。遠くに見えるのが焼酎の貯蔵タンク。この地方は九州でも有数の焼酎の酒蔵が集まっている


 2日目は、人吉市を少し離れて奥球磨へと足を伸ばす。歴史的遺産も多く田舎の素朴な味わいを残す奥球磨には球磨焼酎の蔵元が多く、球磨焼酎全蔵元29軒のうち12軒が点在している。  全国的な知名度を誇る「白岳」「しろ」の蔵元「高橋酒造」。CMさながらのロケーションに建つ事務所でその歴史を伺う。創業1900年(明治33年)。この地方にそびえる「白髪岳」が名前の由来という「白岳」の誕生は、今から約35年前。昭和61年に発売された「しろ」は、乳白色の洒落たボトル、「白岳」をよりマイルドにした味わいで、女性や若い人でも飲みやすい焼酎となっている。芳醇な香りが漂う本店の裏手で、蔵元の雰囲気を堪能した後、車は湯前町にあるゆのまえ温泉「湯楽里」を目指す。

住職が30年間に集めた雛人形が約1200体が一堂に展示される。200年前の雛人形や市松人形も
専徳寺 Phone0966-23-2405
ひなまつり 2月1日〜3月10日まで



 人吉・球磨地方に数ある温泉センターでおすすめしたいのがここ。ひらがなの「ゆ」をモチーフにした純日本風建築で、露天風呂や宿泊室全てから球磨盆地の風景が360度見渡せるのが魅力。ここで供される名物の鯉料理に舌鼓を打つ。  219号線をひた走る人吉・球磨の旅。観光客に親切な街並みや主要な見どころが集中している点を含めて、一度訪れればきっと魅了される場所に違いない。

人吉梅園の約4,600本の梅が咲き揃う。梅まつり(2月下旬〜3月上旬)では、郷土芸能などで賑わう
人吉市観光振興課 Phone0966-22-2111
ひなまつり 2月1日〜3月10日まで



取材協力/人吉市観光振興課
Phone0966-22-2111

高さ15m、珍しい竹製の水車。胸川沿いのキジ料理専門店「きじや」のシンボル


冬は鍋がいい。しっかりとだしのきいたスープが淡泊なキジ肉とよく合う。好みで柚子胡椒を。鍋の最後は雑炊でしめくくり

きじや Phone0966-29-0401
人吉市木地屋町2522
営業 11:00〜21:00 水曜定休

〜ドライブで立ち寄りたい店〜


椎茸やネギなどの香味野菜を混ぜて焼く、香ばしいうなぎの朴葉焼き。遠方からわざわざ食べに来る人も多いとか

上村うなぎ屋 Phone0966-22-3312
人吉市紺屋町129
営業 9:00〜21:00 年中無休



イオン水を使った麺に、胡麻、ニンニク、ラードを使った黒くて香ばしいスープ。具はもやしと自家製チャーシュー

好来ラーメン Phone0966-23-3330
人吉市青井町76
営業 11:30〜20:00 月曜定休




樹齢2000年に及ぶ神木とも言える檜を使った、グランドホテル鮎里の「古代檜風呂」


グランドホテル鮎里 Phone0966-22-2171

人吉市九日町30 1泊2食12,000円〜 女性プラン浴衣物語は1泊2食13,000〜で、浴衣50種・和食洋食が選択できる



雄大な山並みをバックに建つ。宿泊もでき、温泉のほかここならではの食にも出会える
ゆのまえ温泉 湯楽里 Phone0966-43-4126
営業 10:00〜21:30 月曜定休
入浴料300円 宿泊8,000円〜









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